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第5回:ペットブームの陰に・・・
〜 可哀相の向こう側に 〜
前回、保健所及び愛護センターで行われている殺処分の実態についてお伝えしました。
巷で言われているような安楽死とは程遠い現状が、少しでも解って貰えれば幸いと思っていたのですが、読者の方からも大変な反響を頂き、編集部一同、心より感謝をしています。

取材を行っていく中で、某動物管理センターで働くA氏から非常に耳が痛くなる言葉を頂きましたので、皆さんにもご紹介しようと思います。
これも前回同様、興味本位で終わるのではなく、深く受け止めて貰えるように探偵ファイルは願っています。
氏は次のように語ってくれました。

動物愛護週間になると、必ずと言っていいほどメディアからの取材依頼が来るんです。
「可哀相な犬猫を救え!」って。
放映されてから一週間くらいは愛護団体だけではなく、一般の人からも非難の手紙や電話が来るんですよ。酷い時には、“犬殺し”呼ばわりされています。 でも実際に見学に来たり、抑留されている犬猫を引き取ろうって人はそうはいません。そしていつものように、犬と猫は処分されて行く・・・・・・これが現実なんです。
「殺される子がかわいそうだ」って人は、かわいそうと言うことで優しい気持ちに浸ってるだけなんですよ。可哀相だと思うのは良い事だと思うんです、だけど思うだけなら何も変わりはしないんです。結局は蚊帳の外から言ってる文句にしか過ぎません。

とても耳が痛くなる言葉です。 何も考えずにペットを捨てる飼い主に現実を見るように・・・ということで、殺処分の映像を頂くに至ったわけですが、あの映像を見ても可哀相と思うだけなら何も変わらないとA氏は語ります。
現場を知るA氏の言葉に容赦はありません。探偵ファイルを通し、この『ペットブームの陰に・・・』特集を読んだ全ての皆さんに、伝えたいことがあると語りました。


何かをすると言っても、肉を食べないとか革製品を使わないとか・・・そんな自己で完結するような事をするのではなく、身の回りの事へ目を向けてください。 犬猫を飼うと決めて、子供を生ませる予定がないなら去勢と避妊手術をキチンとして下さいって事なんです。猫は、年に二回発情期を迎え、5匹くらいを出産します。半年後には、生まれた子猫も出産できる成猫になる。つまり倍々になってる現状を止めるだけでも、処分場に来る数字は変わってくるんです。猫をそのまま放し飼いにしているなんて、論外なんですよ。犬だって一緒ですよ、一回に3〜5匹生まれるんだから。自分の犬猫じゃなくても、周りにそういう人がいたら、説明をして手術を受けさせるとか・・・何かをするとは、そういう事なんです。

「かわいそうだ」「反対だ」と言うだけなら簡単です。

でも、現状を知っていても具体的な事をしていないならば、

それは実のない自己満足なんですよ。





―――――皆様はこの言葉を聞いて、どう思われるでしょうか?





この猫が付けているオレンジ色のピアスをご覧下さい。それほど一般的では無いので、御存知無い方もいるとは思いますが、これは去勢・避妊手術をしたという目印です。
去勢・避妊手術は2万前後かかります。
「自分の猫だけならばともかく、野良猫にまで施術をしてあげるというのならば、無責任にエサをあげる人よりも余程素晴らしいことだ」と前出のA氏は話しておりました。
殺処分・・・・・・この悲しい現状を回避するには、何が有効で何が必要なことなのでしょうか?

「かわいそう」と思うだけならば、何も変わらない―――その言葉は非常に重いですよね。
「かわいそう」の向こう側には、何があるのでしょう・・・・・・これは、私達が皆さんに問い掛けようと思います。

ペットを飼う

始まりはいろいろとあると思います。
ですが、1度飼うことを決めたのならば、必ず最後まで面倒を見てください。途中で投げ出したりして、飼う責任から逃げないで下さい。

もし・・・・・・止むを得ない理由があったとして、安楽死(処分場は、そう呼べるかどうかわかりませんが・・・)をしなければならないのだとしたら、飼い主である貴方&貴女がやるべきだと思います。飼い主が最期を看取るべきだと思います。
それが、今まで一緒に暮らしてきたペットへの敬意なのではないでしょうか?

ペットは生き物です。15年とも言われる寿命の中では、綺麗なことだけではありません。

ペットブームと言われる中で起きている現状・・・今回の記事を読んだ皆様が知って頂き、今一度『命』に対して考えて頂けたならばと思います。
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